2018年7月11日水曜日

象牙の密輸に批判

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき、象牙製品等の取引を事業として行う者は、あらかじめ環境大臣及び経済産業大臣に登録することが必要となり、日本では6月から象牙の取引に関する規制が強化され、環境省が関東、中部、近畿、九州の四つの地方環境事務所に「象牙取り締まりGメン」を1人ずつ配置し、象牙を扱う業者に立ち入り検査して国に登録しているかなどを調べるようになりました。

日本において象牙はアクセサリーや工芸品によく使われるのですが、その象牙をとるための密猟によって年間2万頭のアフリカゾウが犠牲になっているといわれています。

1979年時点で推定されたアフリカゾウの数は134万頭ともいわれていたのですが、2016年の発表によれば42万頭へと大幅に減ってきており、アフリカゾウも絶滅の恐れが出始め、野生生物の国際取引を規制するワシントン条約で1989年から象牙の輸出入が禁止となりした。

それにより象牙の国内取引を禁止している国もあるのですが、古くから和楽器や判子などに象牙を利用してきた日本は、残念ながら現在もなお国内での象牙取引を認めています。

というのも、日本には条約で輸入が禁じられる以前に持ち込まれた象牙の在庫がまだまだあり、商店やインターネットで売り買いされているというのが現状で、こうした日本の姿勢に対し、国際社会から強い批判が出ています。

というのも、日本国内で流通している象牙が国外に違法に輸出されており、国際NGOの「トラフィック」によると、2011~16年に日本から2.4トン以上の象牙の密輸が確認されているそうで、、このうち95%が中国で押収されたのだそうです。

文化的にも中国や日本などのアジアでは象牙を使用した工芸品などもあり、なかなかその歴史から脱却するのは難しい問題となっています。

しかも、大きな問題として2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、多くの外国人旅行者が日本を訪れることによって、外国人たちが日本で入手した象牙が違法に持ち出されるケースが増える恐れもあります。

環境保護団体のWWFジャパンは今年1月、日本政府に対し、密輸の温床になっている国内取引を禁止するよう求める要望書を出しているのですが、なにせ日本の意思決定は弱く、国内取引ですら禁止するという行動が起こせないままです。

しかし、日本と同じように批判されていた中国は、今年から象牙の国内取引を禁止しましたし、今後日本への国際世論の目は厳しくなりそうですね。

今回のことに限らず、ストローの全面禁止など海外では環境を守るための行動が早いのに、日本ってなかなか行動に起こせないでいますよね。

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